親父が倒れた

というより、寝た状態から起き上がれなくなっていた。
午前3時。
作業を終えて寝ようとした私。
真っ暗な寝室で、電話の通話ランプがついていたことに気がついた。
子機が外線に繋がっている。「こんな時間になんで?」と思いつつ、トイレに行った。突然震えが止まらなくなった。10センチ程度に身体や手が震える。こんなに震えるのははじめてだ。
トイレいる間に彼女と痴話喧嘩をしている知り合いから嘆きのメールが来たがそれどころではない。
「なんだこの震えは・・・」
部屋に戻るが震えはさらに酷くなる。
ふと、不安になり廊下に出た。
1階の方から親父が俺を呼んでいる「こうじ・・・こうじ・・・」
「こんな時間になんで?」と思ったが、その声は昭和一桁の親父とは思えないほどのか細い声だった。
慌てて震える身体で階段を駆け下りた。
親父も立ち上がれずに震えて更に無理に立とうとして転んだ。
「こうじ助けてくれ・・・」親父からは絶対聞けないと思っていた単語。
なにごとがあったのかと私は震えが止まらない身体で考えた。
とっさに出たことばが「救急車を呼ぶか?」。
親父はもう単語をハッキリとは喋れず頷くだけだった。
正確にはなにかを喋っているのだが、言葉にならず本人も躊躇してしまっていた。
救急車を呼んだ。
さっきよりは落ち着いているがなにかうわ言を言っている。パニックというよりも、記憶障害のようだった。突然昔話などが出てくる。
私の震えは相変わらず止まらないのだけど精神的には通常となにも変わらない。ちょっとだけ不安なので低血糖時にブドウ糖で効果が出るのが遅い場合に貰っていたジアゼパムを4ミリグラム服用した。
病院は日赤に決まった。
すぐに準備をして後から車で追いかけた。
CTを撮った結果。
小脳の一部が3センチほど出血していた。
幸いに急所は外れているので手術の必要は現在の段階ではないそうだ。
22日にMRIをして治療方針を決めるらしい。
もう外は朝になっていた。
私は一睡もしていない。当然だけど。診察結果を聞くまで眠れるハズがない。
どうにか家に帰ってそれでも1時間くらいは寝れたかな。
親戚に久しぶりに電話して容態を話したら「あんたがあんまり心配をかけるけんたい」と詰られた。しょうがない。その通りだもの。自由業の愚息ですまん。おやじ。
入院の仕度を俺がして、また病院へ。
今(夕方)帰ってきた。やっと少しは眠れるかな。
明日は洗面器と前を開けられるパジャマを3セット買って持っていかなきゃ。

Author: kouji.baba